古今和歌集仮名序「やまと歌は」現代語訳・解説

今回は『古今和歌集 仮名序』の冒頭部分である、「やまと歌は」について解説をしていきます。 

ここでは

について、順番にお話していきます。 

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古今和歌集 仮名序「やまと歌は」現代語訳・解説 

読み仮名付き本文・現代語訳・品詞分解 

やまと歌うたは、人ひとの心こころを種たねとして、よろづの言ことの葉はとぞなれりける。
和歌は、人の心をもとにして、たくさんの言葉となったものである。

心の「種」という表現は、言の「葉」と対になっていますね。

世よの中なかにある人ひと、ことわざしげきものなれば、
世の中にいる人は、出来事や行為がたくさんある（＝生きているとたくさんの出来事に触れる）ので、

心こころに思おもふうことを、見みるもの聞きくものにつけて言いひい出いだせるなり。
心に感じたことを、見るもの聞くものに乗せて言葉にしている（＝自分の感情を、見聞きしたものを用いて表現している）のである。

花はなに鳴なく鶯うぐいす、水みずにすむ蛙かわずの声こえを聞きけば、
花で鳴くウグイスや、水辺に住むカジカガエルの鳴き声を聞くと、

「花に鳴く鶯」と「水にすむ蛙」も、対句表現になっていますね。

生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける。
この世に生きるものは全て、どれが歌を詠まなかっただろうか、いや詠んだ。（＝この世に生きるものは全て、和歌を詠んでいるのである）

これはどういうことでしょうか？

紀貫之は自分の思いを言葉に乗せて発するという行為を、「和歌を詠む」ことだと言っています。
だから鳴いているウグイスやカジカガエルも、ただ声を発しているだけでなく、自分の思いを鳴き声に乗せて発している（＝和歌を詠んでいる）のだと言っています。

力ちからをも入いれずして天地あめつちを動うごかし、目みに見みえぬ鬼神おにがみをもあはわれと思はわせ、
力を入れずに天と地の神々を動かし、目に見えない荒々しい神々さえもしみじみと感じさせ、

男女おとこおんなの仲なかをも和やわらげ、猛たけき武士もののふの心こころをも慰なぐさむるは、歌うたなり。
男女の仲を親密にさせ、荒々しい武士の心をも穏やかにするのは、和歌である。

「力をも入れずして～」と「男女の仲

ポイント 

A. 和歌のこと。「唐歌」と呼ばれる漢詩に対応している。

まとめ 

いかがでしたでしょうか？ 

今回は、『古今和歌集仮名序』より「やまと歌は」を解説しました。
古今和歌集の序文として、紀貫之が和歌に対する考えを述べています。
しっかりと読み取ることは、できましたか？