はじめに
実は私、現在は国語教員をやっていますが、小学生のころから読書感想文の宿題が大好きでした。
本を読むこと自体が好きだったし、読んで感じたことを言葉にする「読書感想文」は楽しくて仕方なかった変態です(笑)。
ありがたいことに、何度か賞をいただいたこともあります。
「そんなヤツが、読書感想文をめんどくさがっている生徒の気持ちなんてわかるか〜い!?」と思われるかもしれません。
はい、正直言うとわかりません。
だって私にとって、本を読むのは楽しいことですから。
でも、どんなに評判が良い名作でも「自分にはどうしても合わない本」ってあるんですよね。
私の場合、読んでいるだけでなんだか息苦しくなる本があります。
内容が重いわけではなく、文章の句読点の位置によって、脳内で読みながらうまく息継ぎができなくなってしまうんです。
(こんなマニアックな経験をする人は、私だけでしょうか……?)
だからこそ、「自分にピッタリ合う本」と出会うことは、とても尊いことだと感じています。
そこで今回は、「読書感想文、何を読んで書こうかな……」と頭を抱えているあなたへ、おすすめの作品をご紹介します!
・ 課題図書などの指定がなく、作品選びが自由
・ 本を読むのが面倒くさい
という方は、ぜひ参考にしてみてください。
(※あらかじめお伝えしておきますが、学校で指定される「課題図書」はどれも素晴らしい作品ばかりです。テーマが明確で学びも多いため、読書感想文全国コンクールの公式サイトであらすじやレビューをチェックして選ぶのも大賛成ですよ!)
読書感想文の書き方のコツを知りたい方は、以下の記事をご覧ください
読書感想文がスラスラ書ける「本選びのコツ」
まずは本を紹介する前に、読書感想文を書くための本選びのコツをおさえましょう。
あらすじから選ぶ
着目するポイントは、以下の3点です。
② 自分の体験談と重なる部分がある(部活、人間関係、進路などに関する経験や悩み)
③ 自分が興味がある分野である(歴史、科学、推しなど)
ページ数に縛られない
「読むのが面倒だし時間もないから、とにかくページ数が少ない薄い本を選ぼう!」と思ってしまう気持ち、すごくよく分かります。
ですが、薄い本でも文字が小さくぎっしり詰まっているものもあれば、分厚く見えても挿絵が多くて文字数が少ない本もあります。
また、どんなに分厚い本でも、一度ストーリーにハマってしまえば「気づいたらあっという間に読み終わっていた!」なんてこともよくあるのです。
ですから、まずは「ページ数」という制約にとらわれず、純粋に「面白そう」「読んでみたい」と思える内容で選んでみてくださいね。
※ちなみに、私の本紹介ではあえてページ数は載せていません。
ただ、分厚くて私自身も読むのに時間がかかった作品については、正直にお伝えします。
文章のリズムを確認する
「これ、いいかも!」と思える作品が見つかったら、冒頭の数行だけでも良いので、ぜひ実際の文章を読んでみてください。
私のように、文章のリズムや句読点の位置によっては「うまく息継ぎができなくて、読み進められない……」という問題が起こる可能性があるからです。
文章のリズムを確認するには、以下のような方法がおすすめです。
・ Amazonなどで「サンプル(試し読み)」をチェックしてみる
※Amazonのサンプル機能では、冒頭部分が読める作品も多いです。
また、ご家族が「Prime Reading」や「Kindle Unlimited」を利用されていれば、試し読みできる作品がさらに広がりますよ!
このコツを頭に入れて、この後の作品紹介を読んでいってみてください。
読書感想文におすすめの本
では、いよいよ私が実際に読んでみて「読書感想文で書けることがたくさんありそうだな」という作品をご紹介します。
進路や自分の生き方に悩んだときに読みたい3冊
主人公がみなさんと同じ高校生、そして悩みながらも進んでいく様子に必ずや共感できることでしょう。
『手紙屋 蛍雪編』喜多川泰
「何のために勉強するの?」の答えが見つかる!勉強のモチベーションが上がる1冊
『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈
他人の目は気にしない!自分の道を突き進む成瀬から「自分軸」を学ぶ青春小説
『私たちはたしかに光ってたんだ』朝比奈あすか
リアルな高校生の葛藤と輝き!等身大の自分と照らし合わせて書ける等身大ストーリー
人との繋がりや優しさに触れたいときに読みたい3冊
ここでご紹介するのは、読書感想文の定番といえる作品ばかりになってしまいました。
定番だからこそ、他の人の感想やレビューに引っ張られずに、自分の感覚を大切に読んでほしいと思う作品です。
『西の魔女が死んだ』梨木香歩
生きづらさを感じたときの処方箋。
「おばあちゃんの教え」から生き方を考える不朽の名作です。
『博士の愛した数式』小川洋子
記憶が80分しか持たない博士と数学の美しさ。
温かい絆に涙する名作
『時生』東野圭吾
あらすじ
不治の病で死の淵にいる17歳の息子・時生を見守る父親の拓実。彼の脳裏に浮かんだのは、かつて20代のダメ男だった自分の前に「トキオ」と名乗る謎の青年が現れた過去の記憶でした。
1970年代の東京→大阪を舞台に、拓実はトキオと共に疾走しながら、自分のルーツや命の重みに向き合っていきます。
時空を超えた息子の想いと親子の絆を描き、「生まれてきてよかったのか」という問いに温かい光を与える作品です。
あずきからの紹介文
先にお伝えします。分厚いです。
私が読んだものは、文庫で厚さ2センチ越えでした。しかし、文字が比較的多く余白も広めな印象。2日で読み終えました。
構成としては、現在 → 過去の回想 → 現在 という王道の流れです。過去の回想が大半を占めます。
トキオの正体を知る読者は、きっと主人公の拓実にイライラしたりもどかしい思いをすることでしょう。なぜイライラするのか、この作品を読んで考えたことなどを軸に読書感想文を書いていけそうです。
いいなと思う考え方やセリフが、私にはありました。気づいたら泣きました。公共交通機関での移動中には、読まない方がいいかもしれないです。
登場人物の年齢的には、みなさんのような高校生ではありませんが、親子・自分の人生の在り方について考えることができると思います。
現代の社会問題や広い世界に視点を広げる3冊
続いては、戦争、人種差別など社会的問題について考える機会を与えてくれる作品です。
これまでに紹介してきた作品は、共感できることについて書いていくと、自分の個人的な悩みを開示することにもつながります。
そのような読書感想文を書くことに抵抗がある人には、このようなテーマの作品が書きやすいかもしれません。
自分が知らなかったことを知って、考えたことを軸に読書感想文を書き進めることができます。
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬
あらすじ
第二次世界大戦下のソ連。村をドイツ軍に襲われ、母を殺された少女セラフィマは、復讐のために女性狙撃手になる道を選びます。厳しい訓練を乗り越え、女性だけの狙撃小隊の一員として過酷な戦場へ身を投じるセラフィマ。仲間との友情や別れ、戦場の悲惨さを体験するなかで、「なぜ戦うのか」「真の敵とは何か」を自分自身に問い続けます。極限状態における人間の尊厳と平和の意味を問う重厚な歴史小説です。
あずきからの紹介文
分厚いし、内容もしんどかったです…。戦争というテーマだけに、人の亡くなる描写が多いことが理由です。(推理小説は好きなのですが、やはりそれとは違いますね…)
登場人物の名前も耳なじみがない私は、覚えるのにも苦戦しました。
何度ページを行ったり来たりしたかわからないです。
私には、物理的にも精神的にもヘビーな作品でした。でも、考えさせられたことはたくさんあります。
戦争について、女性の扱われなど考えるポイントはたくさんあります。
「やってやるぜ!」と気合十分で、じっくり読んでみたいにはオススメです。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ
あらすじ
イギリスの元底辺中学校に通う、日本人の母とアイルランド人の父を持つ中学生の息子。彼が直面する人種差別、格差社会、ジェンダー問題などのリアルな日常を、母親の視点から描いたノンフィクションエッセイです。多様性の波の中で悩みながらも、持ち前のしなやかさと知性で困難を乗り越えていく息子の成長が印象的。「正しい答え」のない複雑な現代社会で、他者の靴をはいて考える大切さを教えてくれます。
あずきからの紹介文
「差別や格差ってなんだろう?」と考えさせられる作品です。ノンフィクションだからこそ、「多様性」について熱く語れます。
息子くんの視点が、「大人より大人だな」と感じることも多かったです。「自分がその立場だったらどう感じるかな?」と、アンテナを張りながら読み進めると感想文として書き進めやすいのではないでしょうか。
『透明なルール』今村翔吾
当たり前を疑ってみる!社会の「暗黙のルール」について自分の意見を展開できる一冊
気軽に読めてクスッと笑える・心が軽くなる1冊
ここで変わり種を一冊ご紹介します。
『ナチュラルボーンチキン』金原ひとみ
自分らしくいて大丈夫!コンプレックスを吹き飛ばすポップで軽快な成長ストーリー。
登場人物の年齢層が、みなさんとは離れていますが「ギャルマインド」に憧れがあるという人にはいいのかもしれないです。
【番外編】私が高校時代に読書感想文を書いた一冊
最後に、私が実際に高校時代に読書感想文を書いた作品を紹介します。
『かもめのジョナサン』リチャード・バック
ジョナサンは、飛ぶことの意味を追い求めた一羽のカモメ。
「群れに合わせなくてもいい」というメッセージを受け取るのがセオリーの中、私は「自分を貫くことが、本当に英雄なのか?群れから外れたかもめを美談で終わらせていないか?」という視点で書きました。ちょっと尖っていて恥ずかしいですが…
読書感想文の書き方についての記事も、ぜひ読んでみてください。
青空文庫のおすすめ名作3選
「青空文庫」とは、無料で公開されている電子図書館のことです。
著作権が切れた古い作品が中心ですが、名作がたくさんあります。
お金をかけずにスマホでサクッと読めるというのが、最大のメリットでしょう。
「蜜柑」芥川龍之介
あらすじ
世の中に嫌気がさし、薄暗い列車内で鬱々とした気分に沈んでいた「私」。そこへ、野暮ったい田舎の少女が乗り込んできます。少女の振る舞いに不快感を募らせる「私」でしたが、列車が暗いトンネルを抜けた瞬間、少女はある思いがけない行動に出ます。その一瞬の出来事が、「私」の塞ぎ込んだ心を大きく揺さぶります。
あずきからの紹介文
スマホで5分で読めてしまうような、短い作品です。
「これで本当に読書感想文なんて書けるのか!?」と不安になるかもしれません。
そんな人はYoutubeなどで解説動画を見て、内容について確認するといいでしょう。
なぜ「私」がこんなにどんよりした気持ちなのかなど、背景を知ることでより考察がはかどります。
小さなテーマでたくさんの考えが浮かぶ人には、タイパが良くてオススメの作品です。
「走れメロス」太宰治
あらすじ
暴君ディオニスの誤った考えを正そうとし、捕らわれてしまった村の青年メロス。妹の結婚式に出席するため、親友セリヌンティウスを身代わりとして預け、「3日後の夕日までに必ず戻る」と約束します。刺客の襲撃や激しい疲労、襲い来る挫折感……様々な困難がメロスを襲うなか、果たして約束を果たせるのでしょうか。
あずきからの紹介文
これは「蜜柑」に比べると少し長いですが、15分程度で読める作品です。
文体が少し古いので難しく感じるかもしれませんが、あらすじを把握しているとなんとなく読めるものです。
「信じる心」と「自分の弱さ」に向き合い、本当の友情について熱く語れる一冊です。「題名は聞いたことがあるけど、読んだことがないな」と言う方は、これを機会に読んでみてはいかがでしょうか?
「赤い蝋燭と人魚」小川未明
スマホで10分!人間の欲望と裏切りを描いたダークファンタジー。「自然の報復」や「人間の愚かさ」をテーマに深く書ける名作童話
あらすじ
北の海で暮らす人魚の母は、「優しい人間の町で育ってほしい」と願って神社に娘を生み落とします。親心を知った親切な老夫婦に引き取られた娘は、持ち前の才能で美しい「赤い蝋燭」を作るように。しかし、その評判を聞きつけた強欲な商人が現れたことで、娘と老夫婦の運命、そして町全体の平穏が大きく狂い始めていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「これでいくぞ!」という一冊は、決められましたか?
決めたら、いよいよ書いていきましょう!
読書感想文の書き方についても紹介していますので、そちらもぜひ読んで参考にしてみてください。



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