老子「大道廃、有仁義(大道廃れて、仁義有り)」現代語訳・解説

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老子より「大道廃、有仁義(大道廃れて、仁義有り)」について見ていきます。

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この記事では

・白文
・書き下し文(読み仮名付き)
・語句の意味/解説
・現代語訳

以上の内容について順番に説明していきます。

「大道廃れて、仁義有り」現代語訳・解説

内容(白文・書き下し文・現代語訳・語句解説)

① 大道廃、有仁義。

大道たいどうすたれて、仁義じんぎり。

語句 意味/解説
大道 無為自然の道(自然の道に従って生きること)
廃れる 使われなくなり衰えること
仁義 儒教で道徳の基本的理念。

【訳】大道が廃れたために、仁義が言われるようになる。

 

大道が失われて、人々は正しい行いをしなくなると、仁義の必要性を強調しなければならなくなると言っています。
大道に従えば、世の中は自然と治まるので、「仁義」を改めて言う必要がないということです。

 

無為自然…作為を捨てて、自然のままに生きること
儒家は仁を実現するために、学ぶことが大切だと言っている。
儒家が言う学問や道徳は、不自然な作為であるとして否定している。

 

② 智慧出、有大偽。

智慧ちえでて、大偽たいぎり。

語句 意味/解説
智慧 知恵
出づ 出て来る
大偽 甚だしい偽り

【訳】知恵が出てきて、甚だしい偽りが行われるようになる。

次はどういうことでしょうか?

これは人間に知恵がつくことで、利益を求めたり自分が有利になるように、嘘やごまかしをしようとすると言っているのです。

 

③ 六親不和、有孝慈。

六親りくしんせずして、孝慈こうじり。

語句 意味/解説
六親 父子・兄弟・夫婦という、最も身近な六種の親族のこと
和す 仲良くする
孝慈 孝行と慈愛。親には孝行をし、子は慈しむこと。

【訳】六親が不和になったために、孝行と慈愛の心が言われるようになった。

今度は家庭内に不和が生じることで、親へ孝行する気持ちや、子どもを愛する気持ちが必要とされると言っています。

 

④ 国家昏乱、有忠臣。

国家こっか昏乱こんらんして、忠臣ちゅうしんり。

語句 意味/解説
昏乱 混乱
忠臣 忠義を尽くす臣下

【訳】国家が混乱して、忠義を尽くし臣下が目立つようになる。

もともと国家が安定して、皆が忠義を尽くしていれば、それが当たり前で目立つことはないということです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
老子から「大道廃れて、仁義有り」の解説をしました。

今回のお話は、逆説的な表現で何を言いたいのか読み取りにくかったかもしれません。
老子は「無為自然」こそが本来の「道」であり、それが失われているから儒家の思想が必要になったのだと言っていました。

老子の思想を感じ取ることは、できたでしょうか?

この記事を書いた人
あずき

40代、一児の母
通信制高校の国語教員

生徒が「呪文にしか見えない」という古文・漢文に、少しでも興味を持ってもらえたらと作品についてとことん調べています。

自分の生徒には直接伝えられるけど、
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