枕草子「大納言殿参り給ひて①」現代語訳・解説|清少納言も絶賛!伊周の見事なアドリブ

古文

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はじめに

今回は『枕草子』の「大納言殿参り給ひて」の前半部分を解説します。

枕草子
成立:平安時代中期
作者:清少納言
ジャンル:随筆
内容:宮仕えをしていた時の宮中での出来事や、人間模様、季節の自然などを鋭い感性で描いている。「をかし」の文学と言われる。

このお話は、清少納言の日常の一コマです。

このお話では、ハプニングに際して大納言殿(藤原伊周)が、その場面にぴったりな漢詩を吟じました。それを筆者である清少納言が「すばらしい!」と感じたことが、語られています。

枕草子は読むと面白いのですが、私がちょっと嫌だなと感じるのは、「一文が長いこと」です。
そして偉い人がたくさん出てくるので、敬語も複雑なことが難易度を上げているなあと思います。

登場人物
大納言殿:
藤原伊周これちかのこと(中宮定子の兄)
上の御前/上:帝(一条天皇)
宮の御前/宮:中宮定子のこと
御前なる人々:清少納言をはじめとする、帝や中宮のそばに仕える女房たち
長女が童:このお話のハプニングを引き起こした張本人

枕草子「大納言殿参り給ひて」現代語訳・解説

 

大だい納な言殿ごんどの、参まいり給たまひイて、文ふみのことなど奏そうし給たもふウに、
大納言殿が(帝のもとへ)参上なさって、漢詩のことなどを(帝に)申し上げなさっているうちに、

大納言殿、
名詞(中宮定子の兄である藤原伊周のこと)
参り
ラ行四段活用動詞「参る」(参上する)連用形 【謙譲】筆者→帝への敬意
給ひ
ハ行四段活用補助動詞「給ふ」連用形 【尊敬】筆者→大納言への敬意
て、 接続助詞
文 名詞(漢詩)
の 格助詞
こと 名詞
など 副助詞
奏し
サ行変格活用動詞「奏す」(申し上げる)連用形 【謙譲】筆者→帝への敬意
給ふ
ハ行四段活用補助動詞「給ふ」連用形 【尊敬】筆者→大納言への敬意
に、 格助詞

 

例れいの、夜よいたく更ふけぬれば、
いつものように、夜がひどく更けてしまったので、

例 名詞 ※例の…いつものように
の、 格助詞
夜 名詞
いたく 副詞(ひどく)
更け
カ行下二段活用動詞「更く」(更ける、夜が深くなる)連用形
ぬれ 完了の助動詞「ぬ」已然形
ば、 接続助詞

大納言殿が漢詩のことなどを話し出すと、夜が更けてしまうのはいつものことだったんですね。

 

御お前まえなる人々ひとびと、一人二人づつ失うせて、
(帝や中宮の)おそばにいる女房たちは、一人二人ずついなくなって、

御前
名詞(ここでは帝や中宮のもとにひかえている女房たちのことを指す)
なる
断定の助動詞「なり」連体形【存在】~にいる
人々、 名詞
一人二人づつ 名詞(一人、二人と少しずつ女房たちが眠さに耐えきれずに席を外していく様子を表している)
失せ
サ行下二段活用動詞「失す」(いなくなる )連用形
て、 接続助詞

 

御み屏びょう風ぶ、御几みき帳ちょうの後うしろなどに、みな隠かくれ臥ふしぬれば、
御屏風や御几帳の後ろなどに、みな隠れて寝てしまったので、

御屏風、 名詞
御几帳 名詞
の 格助詞
後ろ 名詞
など 副助詞
に、 格助詞
みな 名詞
隠れ臥し
サ行四段活用動詞「隠れ臥す」(姿を隠して体を横たえる、寝る)連用形 ※ここでは、帝や中宮がまだ起きている中で寝ることがはばかられるので、隠れて寝ていたことを表している
ぬれ 完了の助動詞「ぬ」已然形
ば、 接続助詞

 

ただ一人ひとり、ねぶたきを念ねんじて候さぶろふウに、
(私は)ただ一人で、眠たいのを我慢してお仕えしていると、

ただ 副詞
一人、 名詞
ねぶたき
ク活用の形容詞「ねぶたし」(眠たい)連体形
を 格助詞
念じ サ行変格活用動詞「念ず」(我慢する)連用形
て 接続助詞
候ふ ハ行四段活用動詞「候ふ」(お仕えする) 【謙譲】筆者→帝・中宮・大納言への敬意
に、 接続助詞

 

「丑うし四よつ。」と奏そうすなり。
(警護の役人が)「丑四つ。」と(帝に時刻を)お伝えしているようだ。

「丑四つ。」 名詞(午前二時半~三時ころを指す)
と 格助詞
奏す
サ行変格活用動詞「奏す」(申し上げる)終止形 【謙譲】筆者→帝への敬意
なり。
推定の助動詞「なり」(~ようだ)終止形

 

「明あけ侍はべりぬなり。」とひとりごつを、
「夜が明けてしまったようです。」と独り言を(私が)言うのを、

「明け カ行下二段活用動詞「明く」(夜が明ける)連用形 ※当時は外が明るくなれば「夜が明ける」という認識だったため、現在の「朝」という時間間隔とは多少のズレがある
侍り ラ行変格活用補助動詞「侍り」(~です、~ます)連用形 【丁寧】筆者→聞き手への敬意 ※独り言ではあるものの、ここでの「聞き手」とは、周りにいる帝・中宮・大納言のことを指している。
ぬ
完了の助動詞「ぬ」終止形 ※強意という解釈もある
なり。」 推定の助動詞「なり」終止形
と 格助詞
ひとりごつ
名詞(独り言)
を、 格助詞

 

大だい納な言殿ごんどの、「いまさらに、な大殿おおとの籠ごもりおはしましそ。」とて、
大納言殿は、「今さら、おやすみなさいますな。」とおっしゃって、

大納言殿、 名詞
「いまさらに、
ナリ活用の形容動詞「いまさらなり」(今さらのことだ)連用形
な 副詞 ※な~そ:【禁止】~するな
大殿籠り
ラ行四段活用動詞「大殿籠る」(お休みになる)連用形 【尊敬】大納言殿→帝・中宮への敬意
おはしまし サ行四段活用補助動詞「おはします」連用形 【尊敬】大納言殿→帝・中宮への敬意
そ。」 終助詞【禁止】
とて、 格助詞

この部分は重要古語「大殿籠る」や、禁止を表す呼応の副詞「な~そ」、そして敬語などポイントがもりだくさんの部分です。

「大殿籠りおはしまし」という表現は、最高敬語だから帝や中宮に対する敬意ということなんですね。

ただ、筆者の「明け侍りぬなり。」という言葉を受けての発言なので、筆者に対する敬意という解釈をしているものもあります。
「今さら寝ようなんてなさいますな」と、過剰なほどに敬語を使ってお願いしていると読み取ることもできます。
それぞれの先生の解釈に従いましょう。

 

寝ぬべきものとも思おぼいたらぬを、
(大納言殿は)寝るのが当然だとも思っていらっしゃらないので、

寝 ナ行下二段活用動詞「寝」(寝る)終止形
べき 当然の助動詞「べし」連体形
もの 名詞
と 格助詞
も 係助詞
おぼい サ行四段活用動詞「おぼす」(お思いになる)連用形「おぼし」のイ音便 【尊敬】筆者→大納言への敬意
たら 存続の助動詞「たり」未然形
ぬ 打消の助動詞「ず」連体形
を、 接続助詞

 

うたて、何なにしに、さ申もうしつらむンと思へエど、
いやだ、どうしてそのように申し上げてしまったのだろうと思うけれども、

うたて、 ク活用の形容詞「うたてし」(嫌だ、情けない)の語幹
何 副詞 ※何しに:どうして
し サ行変格活用動詞「す」連用形
に、 格助詞
さ
副詞(そのように)※「明け侍りぬなり」という発言を指す
申し
サ行四段活用動詞「申す」連用形 【謙譲】筆者→聞き手への敬意 ※先ほどの独り言の聞き手を指す
つ 完了の助動詞「つ」終止形
らむ 原因推量の助動詞「らむ」(どうして~だろう)連体形
と 格助詞
思へ ハ行四段活用動詞「思ふ」
ど、 接続助詞

 

また人ひとのあらばこそはまぎれも臥ふさめ。
他に女房がいれば、紛れて寝ることもできるだろうが(いないので寝ることができない)。

また 副詞(他に、別に)
人 名詞(他の人 ※ここでは、自分以外の女房を指す)
の 格助詞
あら ラ行変格活用動詞「あり」(いる)未然形
ば 接続助詞
こそ 係助詞 ※結び:め
は 係助詞
まぎれ ラ行下二段活用動詞「まぎる」(紛れる)連用形
も 係助詞
臥さ サ行四段活用動詞「臥す」(横になる、寝る)未然形
め。 推量の助動詞「む」已然形 【係り結び】

 

上うえの御前おまえの、柱はしらに寄よりかからせ給たまひイて、少しねぶらせ給たもふウを、
帝が、柱に寄りかかりなさって、少しお眠りになっていらっしゃるのを、

上の御前 名詞(帝のこと)
の、 格助詞
柱 名詞
に 格助詞
寄りかから ラ行四段活用動詞「寄りかかる」未然形
せ
尊敬の助動詞「す」連用形 筆者→帝への敬意
給ひ
ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形 【尊敬】筆者→帝への敬意
て、 接続助詞
少し 副詞
ねぶら ラ行四段活用動詞「ねぶる」(眠る)未然形
せ 尊敬の助動詞「す」連用形 筆者→帝への敬意
給ふ ハ行四段活用動詞「給ふ」連用形 【尊敬】筆者→帝への敬意
を、 格助詞

「せ給ふ」が二度も出てきていますね。
最高敬語が使われているので、帝への敬意であることがわかりやすいです。
帝もついに眠ってしまったんですね…

 

「かれ、見み奉たてまつらせ給たまへエ。いまは明あけぬるに、かう大殿籠おおとのごもるべきかは。」と申もうさせ給たまへエば、
「あれ(=帝がお休みなっている様子)を見申し上げなさいませ。もはや夜が明けたのに、このようにおやすみになって良いのでしょうか(いや、よくないでしょう)。」と(中宮に)申し上げなさると、

「かれ、
代名詞(あれ ※ここでは帝が寝ている姿を指す)
見 マ行上一段活用動詞「見る」連用形
奉ら
ラ行四段活用補助動詞「奉る」未然形 【謙譲】大納言→帝への敬意
せ
尊敬の助動詞「す」連用形 大納言→中宮への敬意
給へ。
ハ行四段活用動詞「給ふ」命令形 【尊敬】大納言→中宮への敬意
いま 名詞
は 係助詞
明け
カ行下二段活用動詞「明く」(夜が明ける)連用形
ぬる 完了の助動詞「ぬ」連体形
に、 接続助詞
かう 副詞「かく」(このように)のウ音便
大殿籠る
ラ行四段活用動詞「大殿籠る」終止形 【尊敬】大納言→帝への敬意
べき 当然の助動詞「べし」連体形
かは。」 【反語】係助詞
と 格助詞
申さす
サ行下二段活用動詞「申さす」(「申す」よりも謙譲の意味合いが強い表現)連用形 【謙譲】筆者→中宮への敬意
給へ
ハ行四段活用動詞「給ふ」已然形 【尊敬】筆者→大納言への敬意
ば、 接続助詞

ついに眠ってしまった帝を見て、大納言はすかさずこのように言います。それを受けて、中宮が次のように言います。

 

「げに。」など、宮みやの御お前まえにも笑わらひイ聞きこえさせ給たもふウも、
「本当に。」などと、中宮様もお笑い申し上げなさるのも、

「げに。」 副詞(本当に)
など、 副助詞
宮の御前 名詞(人名。中宮定子のこと)
に 格助詞
も 係助詞
笑ひ ハ行四段活用動詞「笑ふ」連用形
聞こえ
ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」(申し上げる)未然形 【謙譲】筆者→帝への敬意
させ
尊敬の助動詞「さす」連用形 筆者→中宮への敬意
給ふ ハ行四段活用補助動詞「給ふ」連体形
も、 係助詞

 

知しらせ給たまはワぬほどに、
(帝は)お知りにならないでいらっしゃるうちに、

知ら ラ行四段活用動詞「知る」未然形
せ
尊敬の助動詞「す」連用形 筆者→帝への敬意
給は
ハ行四段活用補助動詞「給ふ」未然形 【尊敬】筆者→帝への敬意
ぬ 打消の助動詞「ず」連体形
ほど 名詞
に、 格助詞

 

長女おさめが童わらわの、鶏にわとりを捕とらへエ持もて来きて、
長女の使う女の童が、鶏を捕まえて持ってきて、

長女 名詞(雑用を行う下級の女官のこと)
が 格助詞
童 名詞(長女の召使いをする童女のこと)
の、 格助詞
鶏 名詞
を 格助詞
捕らへ ハ行下二段活用動詞「捕らふ」(捕まえる)連用形
持て来 カ行変格活用動詞「持て来」(持ってくる)連用形
て、 接続助詞

 

「朝あしたに里さとへ持もて行いかむン。」と言いひイて隠かくし置おきたりける、
「翌朝に実家へ持って行こう。」と言って隠しておいたのを、

「朝 名詞(翌朝)
に 格助詞
里 名詞(実家)
へ 格助詞
持て行か
カ行四段活用動詞「持て行く」(持って行く)未然形
む。」 意志の助動詞「む」終止形
と 格助詞
言ひ ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形
て 接続助詞
隠し置き
カ行四段活用動詞「隠し置く」(隠しておく)
たり 存続の助動詞「たり」連用形
ける、 過去の助動詞「けり」連体形

 

いかがしけむン、犬いぬ見みつけて追おひイければ、
どうしたのだろうか、犬が(鶏を)見つけて追いかけたので、

いかが 副詞(どうしたのだろうか)
し サ行変格活用動詞「す」連用形
けむ、 過去の原因推量の助動詞「けむ」連体形
犬 名詞
見つけ
カ行下二段活用動詞「見つく」(見つける)
て 接続助詞
追ひ ハ行四段活用動詞「追ふ」連用形
けれ 過去の助動詞「けり」已然形
ば、 接続助詞

 

廊ろうのまきに逃にげ入いりて、恐おそろしう鳴なきののしるに、
(鶏は)廊下の間木に逃げ込んで、尋常でなく鳴き騒ぐので、

廊 名詞(板敷きの渡り廊下のこと)
の 格助詞
まき
名詞(間木…長押の上に取り付けられた棚のようなもの)
に 格助詞
逃げ入り
ラ行四段活用動詞「逃げ入る」(逃げ込む)連用形
て、 接続助詞
恐ろしう
シク活用の形容詞「恐ろし」(並々でない ※ここでは「恐ろしい」という意味ではなく鶏の鳴き声が尋常でないことを表す)連用形「恐ろしく」のウ音便
鳴きののしる
ラ行四段活用動詞「鳴きののしる」(鳴き騒ぐ)連体形
に、 接続助詞

 

みな人ひと起おきなどしぬなり。
(寝ていた女房たち)みんなは起きたりしてしまったようだ。

みな人 名詞(みんな)
起き カ行上二段活用動詞「起く」連用形
など 副助詞
し サ行変格活用動詞「す」連用形
ぬ 完了の助動詞「ぬ」終止形
なり。 推定の助動詞「なり」終止形

 

上もうちおどろかせ給ひて、
帝もふとお目覚めになって、

上 名詞(帝のことを指す)
も 係助詞
うちおどろか
接頭語「うち」(ふと)+カ行四段活用動詞「おどろく」(目が覚める)未然形
せ
尊敬の助動詞「す」連用形 筆者→帝への敬意
給ひ
ハ行四段活用補助動詞「給ふ」連用形 【尊敬】筆者→帝への敬意
て、 接続助詞

 

「いかでありつる鶏ぞ。」などたづねさせ給ふに、
「どうして鶏がいたのか。」などとお尋ねになると、

「いかで 副詞【疑問】どうして
あり ラ行変格活用動詞「あり」連用形
つる 完了の助動詞「つ」連体形
鶏 名詞
ぞ。」 【強意】係助詞
など 副助詞
たづね
ナ行下二段活用動詞「たづぬ」(尋ねる)未然形
させ
尊敬の助動詞「さす」連用形 筆者→帝への敬意
給ふ
ハ行四段活用補助動詞「給ふ」連体形 【尊敬】筆者→帝への敬意
に、 接続助詞

 

大だい納な言殿ごんどのの、「声こえ、明王めいおうのねぶりを驚おどろかす。」といふ言ことを、
大納言殿が、「声、明王の眠りを驚かす。」という詩句を、

大納言殿 名詞
の、 格助詞
「声、 名詞
明王 名詞(徳が高く立派な君主のこと)
の 格助詞
ねぶり 名詞(眠り)
を 格助詞
驚かす。」
サ行四段活用動詞「驚かす」(目覚めさせる、起こす)終止形
と 格助詞
いふ ハ行四段活用動詞「いふ」連体形
言
名詞(和歌や詩句 ※ここでは詩句を指す)
を、 格助詞

「声、明王の眠りを驚かす。」は、平安時代の貴族で漢詩に精通していた都良香(みやこのよしか)という人物が作った漢詩「鶏人暁に唱ふ、声明王の眠りを驚かす。鳧鐘夜鳴る。 響暗天の聴きに徹る。」の一部です。

 

高たこううち出いだし給たまへエる、めでたうをかしきに、
声高らかに吟じなさったのは、すばらしく趣があるので、

高う
ク活用の形容詞「高し」連用形「高く」のウ音便
うち出だし
サ行四段活用動詞「うち出だす」(口に出す、詩句を歌い出す)連用形
給へ
ハ行四段活用補助動詞「給ふ」已然形 【尊敬】筆者→大納言殿への敬意
る、 完了の助動詞「り」連体形
めでたう
ク活用の形容詞「めでたし」(すばらしい)連用形「めでたく」のウ音便
をかしき
シク活用の形容詞「をかし」(趣がある)連体形
に、 接続助詞

 

ただ人びとのねぶたかりつる目めもいと大おおきになりぬ。
臣下(である私)の眠たかった目もたいそう大きくなった。

ただ人
名詞(臣下 ※ここでは「明王」に合わせて、清少納言が自分のことを「ただ人(臣下)」と言った
の 格助詞
ねぶたかり
ク活用の形容詞「ねぶたし」(眠たい)連用形
つる 完了の助動詞「つ」連体形
目 名詞
も 係助詞
いと 副詞(とても、非常に)
大きに
ナリ活用の形容動詞「大きなり」(大きい)連用形
なり ラ行四段活用動詞「なり」連用形
ぬ。 完了の助動詞「ぬ」終止形

大納言殿の、場に合った素晴らしい漢詩の朗詠に「感動して目がぱっちり覚めちゃったわ~」と言っています。

私は、清少納言の「元ネタ知ってますよ」アピールに感じちゃいました…

 

「いみじき折おりの言ことかな。」と、
「すばらしく折にあった詩句であることよ。」と、

「いみじき
シク活用の形容詞「いみじ」(すばらしい)連体形
折 名詞(その時、その場面)
の 格助詞
言
名詞(和歌や詩句 ※ここでは詩句を指す)
かな。」 【詠嘆】終助詞
と、 格助詞

 

上うえも宮みやも興きょうぜさせ給たもふウ。
帝も中宮様もおもしろがりなさる。

上 名詞(帝のこと)
も 係助詞
宮 名詞(中宮のこと)
も 係助詞
興ぜ
サ行変格活用動詞「興ず」(おもしろがる)未然形
させ
尊敬の助動詞「さす」連用形 筆者→帝・中宮への敬意
給ふ。
ハ行四段活用補助動詞「給ふ」終止形 【尊敬】筆者→帝・中宮への敬意

 

なほオ、かかることこそめでたけれ。
やはり、このようなことは実にすばらしい。

なほ、 副詞(やはり)
かかる
ラ行変格活用動詞「かかり」(このような ※大納言殿が場面にあった漢詩を朗詠したことを指す)連体形
こと 名詞
こそ 【強意】係助詞 ※結び:めでたけれ
めでたけれ。
ク活用の形容詞「めでたし」(すばらしい)已然形 【係り結び】

 

続き:またの夜は~

この記事を書いた人
あずき

40代、一児の母
通信制高校の国語教員

生徒が「呪文にしか見えない」という古文・漢文に、少しでも興味を持ってもらえたらと作品についてとことん調べています。

自分の生徒には直接伝えられるけど、
聞きたくても聞けない…などと困っている方にも届けたくて、ブログを始めました。

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